今回は日本で初めての溶接鉄道橋、瑞穂橋を紹介します。いつものように動画も作成しましたので、併せて見ていただけると嬉しいです。
返還前は、米軍の厚木基地への輸送として使われていました。黒の部分が貨物線で、青の部分がJRから相鉄線への乗り入れ、赤の部分が相鉄線になります。このような経路を通って厚木基地へ物資の輸送を行なっていました。
なお、瑞穂埠頭の対岸のコットンハーバーから見ると、このような船も見られます。大型の船はないですが、現在でも運用されています。
こちらは中央のトラス構造部分です。トラス構造もかなり頑丈に作られています。
トラス部分を拡大します。面やクロスさせているところもみられ、手探りながらも強度重視で作ったと思われます。
トラス構造の下の部分には斜めに補強を入れていますが、この辺は溶接によって作られていました。拡大すると、1つ1つ溶接された跡が見えます。
さて、橋のすぐ横には有名なバーが2件あります。あぶない刑事で登場した店で、歴史を感じますね。
さて、瑞穂橋を渡った線路は下の部分で高島線に入って行きます。
橋の方から来る線路もまだ残っていますね。この辺の敷地は米軍から返還され、地権者のJR貨物に戻されたと思います。
こちらは現役の高島線です。高島線は貨物専用の路線になります。
丁度石油運搬の貨物が来ました。本牧方面からよく来ています。
最後に付近ですが、こんな感じの雰囲気のいい倉庫も残っています。横浜というと赤レンガ倉庫のイメージがあるかもしれませんが、貿易で使っていた倉庫はまだまだ残っています。個人的にはこの倉庫の並びは好きなところです。
最後に今回調べた参考文献を記載しておきますので、よろしければみてください。橋の溶接技術に関しては全然知らなかったのでとても勉強になりました。
さて、肝心の瑞穂橋ですが、下の写真の左側に小さく写っているのがそれです。鉄道のための橋なので、右側の道路よりも小さいです。瑞穂橋は1934年に建設されました。当時はまだ橋の溶接技術が確立されておらず、多くはトラス構造でした。この橋は試験的に下の桁の部分を溶接で作っています。
実際に溶接している部分をアップにしてみます。鉄板と鉄板に盛っている形で溶接しているのが見えます。ちなみに、かなり強度を意識しているのか、縦横の補強がかなりされています。溶接棒は10万本以上使われ、かなり手が込んだ作りになっています。
参考文献
かながわの橋100選
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/bd2/cnt/f531982/kanagawa100sen.html
公益社団法人の土木学会
http://library.jsce.or.jp/Image_DB/committee/steel_structure/book/42517/42517-0196.pdf
コスモ技研株式会社
https://www.cosmogkn.co.jp/saiyo/basic_knowledge/bridge_type/
橋梁技術の進歩と溶接技術
https://www.ihi.co.jp/var/ezwebin_site/storage/original/application/f8ee8dbefbed1a364975e4f7ba07942a.pdf
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